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スペイン / DO

ナバーラ

Navarra DO

リオハの隣のDO。総アルコール度数の下限を、実効のすぐ上(差0.05〜0.10%vol)に置くという独特の書き方で、実質「残糖をほぼ認めない辛口」を度数の2本立てで表現している。

規定で認められている品種

生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。

黒ぶどう・共通

白ぶどう

規定の要点

  • 規定書は品種を主要品種と認可品種に分けていない。黒と白の2分類だけ
  • ロゼは黒ぶどう85%以上。「ロサード・トラディシオン」はガルナッチャ・ティンタのみ、かつ血抜き(sangrado)法のみ
  • 収量は赤8,000kg/ha(56hl/ha)、白9,200kg/ha(64.40hl/ha)、血抜きのロゼは32hl/ha。「ビノ・デ・プエブロ(村名)」を名乗ると赤6,400kg/ha、白7,500kg/haに落ちる
  • 最低アルコール度数は実効(adquirido)と総(total)を別の値で書く。白10.50/10.60%vol、ロゼ11/11.10%vol、赤11.50/11.55%vol
  • クリアンサだけは規定書が月数を定義している。赤は24か月(うち樽9か月以上、樽は最大330L)、白は18か月(うち樽6か月以上)。レセルバとグラン・レセルバの月数は定義していない
  • 植栽密度は2,400株/ha以上

この産地でわかったこと

総アルコール度数の下限を、実効のすぐ上に置いているのが変わっています。白は10.50に対して10.60、赤にいたっては11.50に対して11.55——差はわずか0.05%vol。総と実効の差は残糖の量に相当するので、実質「残糖をほぼ認めない辛口」を度数の2本立てで表現していることになります。もうひとつ、村名を名乗ると収量が2割落ちます(赤8,000→6,400kg/ha、白9,200→7,500kg/ha)。ビエルソが村名を「その村由来100%」で定義したのに対し、ナバーラは収量を削ることで村名の対価を取っている。同じ村名ワインへの到達手段が、隣り合う2つの産地で正反対になっています。

出典

生産規定ナバーラ州農食品技術・インフラ研究所(INTIA)— DO Navarra 生産規定
https://www.intiasa.es/sites/default/files/assets/files/certificacion/DocumentoNormativo/NormativaDONavarraVino/2026%2005%2021%20Pliego%20de%20condiciones_DO_Navarra.pdf2026年3月版。品種リスト、ロサード・トラディシオン、収量、実効と総のアルコール度数、クリアンサの月数(2026年10月6日に確認)「El Término tradicional "Crianza" lo podrán usar los vinos tintos con un periodo mínimo de envejecimiento de 24 meses, de los que al menos 9 habrán permanecido en barricas de roble de capacidad máxima de 330 litros.」

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。