カスティーリャ・イ・レオン州北西のDO。村・区画・畑の4段ピラミッドを「その区画由来100%」で定義し、熟成の月数は自前で決めずに外部法令に委ねている。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
黒ぶどう・共通
- メンシア原文表記: Mencía。当サイトに品種ページはまだありません
- ガルナッチャ・ティントレラ原文表記: Garnacha Tintorera。果肉まで赤い別品種で、当サイトのグルナッシュとは別物のため結びつけていません
- メレンサオ原文表記: Merenzao
- エスタラディーニャ原文表記: Estaladiña
白ぶどう
- ドニャ・ブランカ原文表記: Doña Blanca(別名 Malvasía Castellana)
- ゴデーリョ原文表記: Godello
- マルヴァシア・リオハーナ原文表記: Malvasía Riojana(別名 Alarije, Rojal)
- パロミノ原文表記: Palomino
規定の要点
- 規定書は品種を「受け入れ品種(variedades acogidas)」とだけ呼び、主要品種と認可品種に分けていない。黒と白の2区分だけ
- 赤は黒4品種で85%以上。ロゼは黒ぶどう70%以上、クラレーテは黒ぶどう40〜60%
- ビノ・デ・ビリャ(村名)/ビノ・デ・パラヘ(区画)/ビーニャ・クラシフィカーダ/グラン・ビーニャ・クラシフィカーダは、いずれも「その区画由来100%」で定義される
- 収量は黒4品種と白が11,000kg/ha(81.40hl/ha)、パロミノだけ12,000kg/ha(88.80hl/ha)。搾汁はぶどう100kgあたり74Lまで
- 最低アルコール度数は総(total)と実効(adquirido)の2行があり、どちらも同じ数値。白11.5%vol、ロゼ12%vol、クラレーテ12%vol、赤12%vol
- ゴデーリョだけはぶどう段階の「潜在アルコール度数(probable)」11.5%volで規定されている
- クリアンサ/レセルバ/グラン・レセルバの月数は規定書に定義がない(外部法令に委ねている)。「熟成を経た」の一般定義として樽3か月以上という下限だけがある
この産地でわかったこと
ビエルソはブルゴーニュ型の4段ピラミッドを、すべて「100%由来」で定義しています。村名 →区画 →畑 →特級畑と上がっていく各段が、樽熟成の月数ではなく土地の粒度で積み上げられている。しかもクリアンサやレセルバの月数は自前で定義せず外部法令に丸投げしていて、熟成の軸を捨てて産地の軸に全振りした規定書になっています。もうひとつ、最低アルコール度数の表に総(total)と実効(adquirido)の2行があって、どちらも同じ数値(赤なら12/12)。補糖で下限に届かせる余地を認めない書き方です。そのうえゴデーリョだけは「ぶどう段階の潜在アルコール」で規定されていて、ひとつの規定書の中に3つの度数概念が同居しています。
出典
生産規定カスティーリャ・イ・レオン州農業技術研究所(ITACyL)— DOP Bierzo 生産規定
https://www.itacyl.es/documents/20143/342640/PCC+DO+BIERZO+Rev+3.1.pdf/62426d45-35fc-7636-2566-31fd2e8c20f5?t=1786969654320PDO-ES-A0615/Revisión 3(2026年2月25日)。品種リスト、村名・区画の定義、収量、アルコール度数(2026年10月6日に確認)「El Vino tinto se elaborará como mínimo con un 85% de las variedades Mencía, Garnacha Tintorera, Estaladiña y/o Merenzao.」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。