トスカーナの広いDOCG。8つのサブゾーンの格の差が、熟成の月数ではなく「出荷解禁日」で引かれている(3月/6月/9月の3段階)。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
収穫時の最低自然アルコール度数と、ぶどうからワインへの歩留まり、熟成の月数(リゼルヴァの樽・瓶の内訳)は取得できませんでした。この産地の統合版の規定書はPDFが長く、読み取りが第3条(生産地域の市町村の列挙)の途中で止まってしまい、第4条以降の条文に届きません。上に載せている収量・出荷解禁日・消費時の分析値は、同じ省のページに添付されている「単一文書(Documento Unico)」の統合版から確認したものです。なお、コッリ・セネージの13.00%volという値も見つかりましたが、リゼルヴァだけにかかるのか無印にもかかるのか判別できなかったため載せていません。
黒ぶどう・共通
- サンジョヴェーゼ60〜100% / 原文表記: Sangiovese n.
- カベルネ・フランカベルネ・ソーヴィニヨンとの合計で15%まで(コッリ・セネージは10%まで)
- カベルネ・ソーヴィニヨンカベルネ・フランとの合計で15%まで(コッリ・セネージは10%まで)
- 白ぶどう(全体)単独でも合計でも10%まで
- カナイオーロロゼの構成品種 / 原文表記: Canaiolo。当サイトに品種ページはまだありません
- チリエジョーロロゼの構成品種 / 原文表記: Ciliegiolo
- コロリーノロゼの構成品種 / 原文表記: Colorino
- モンテプルチャーノロゼの構成品種 / 原文表記: Montepulciano
- メルローロゼの構成品種
- シラーロゼの構成品種
- シャルドネロゼの構成品種
- ソーヴィニヨン・ブランロゼの構成品種 / 原文表記: Sauvignon
- ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)ロゼの構成品種 / 原文表記: Pinot grigio
- ユニ・ブラン(トレッビアーノ・トスカーノ)ロゼの構成品種 / 原文表記: Trebbiano toscano
規定の要点
- タイプは4つ。キャンティ/リゼルヴァ/ロゼ/スペリオーレ。サブゾーンは8つ(コッリ・アレティーニ/コッリ・フィオレンティーニ/コッリ・セネージ/コッリーネ・ピサーネ/モンタルバーノ/モンテスペルトリ/ルフィナ/テッレ・ディ・ヴィンチ)
- 品種はサンジョヴェーゼ60〜100%。白ぶどうは単独でも合計でも10%まで、カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンは合計15%まで(コッリ・セネージだけ10%まで)
- ロゼはサンジョヴェーゼ60%以上に加えて、残りを15品種の閉じたリストから選ぶ
- 収量はキャンティとロゼが11,000kg/ha(77hl/ha)、コッリ・アレティーニ/コッリーネ・ピサーネ/モンタルバーノ/ルフィナ/モンテスペルトリとスペリオーレが9,500kg/ha(66.5hl/ha)、コッリ・フィオレンティーニ/コッリ・セネージ/テッレ・ディ・ヴィンチが9,000kg/ha(63hl/ha)
- 「ゴヴェルノ・アッルーゾ・トスカーノ」(軽く陰干ししたぶどうを加えてゆっくり再発酵させる伝統的な製法)が認められている。ロゼには認められない
- 出荷解禁日が3段階。キャンティとコッリ・アレティーニ/コッリ・セネージ/コッリーネ・ピサーネ/モンタルバーノが3月1日、モンテスペルトリとコッリ・フィオレンティーニが6月1日、ルフィナ/テッレ・ディ・ヴィンチ/スペリオーレが9月1日。ロゼは収穫年の12月1日
- 消費時の総アルコールと無還元エキスは キャンティ11.50%vol・22.0g/L、リゼルヴァ12.50%vol・24.0g/L、スペリオーレ12.50%vol・25.0g/L、サブゾーン付き12.00%vol・24.0g/L、ロゼ11.50%vol・16.0g/L
この産地でわかったこと
8つのサブゾーンの格の差が、熟成の月数ではなく「出荷解禁日」で引かれています。3月1日・6月1日・9月1日の3段階で、ルフィナ/テッレ・ディ・ヴィンチ/スペリオーレが最上段。待たせる長さではなく待たせる日付で序列を作る書き方で、ロゼだけは収穫年の12月1日といちばん早く出せます。もうひとつ、赤とロゼで立法のスタイルが違うのが面白いところ。赤の補助品種は別添の開いたリストなのに、ロゼだけは15品種の閉じたリストで、残り40%の中身まで列挙されています。そして品種の縛り方が「サンジョヴェーゼ60%以上」という下限だけでなく、白ぶどう10%・カベルネ15%という個別の天井も置く二重構造になっています。
出典
生産規定イタリア農業・食料主権・森林省(Masaf)— Chianti DOP 統合版生産規定と単一文書
https://www.masaf.gov.it/flex/cm/pages/ServeBLOB.php/L/IT/IDPagina/24768DM 5 giugno 2026(官報 第134号/2026年6月12日)の統合版。第1条 タイプとサブゾーン、第2条 品種構成は規定書本文から、収量・ゴヴェルノ・出荷解禁日・消費時の分析値は添付の単一文書の統合版から(2026年10月6日に確認)「Sangiovese n.: da 60 a 100%.」
生産規定イタリア農業・食料主権・森林省(Masaf)— 同 単一文書(Documento Unico consolidato)
https://www.masaf.gov.it/flex/cm/pages/ServeBLOB.php/L/IT/IDPagina/24768出荷解禁日の条文「le tipologie di vino Chianti Rufina, Chianti Terre di Vinci e Chianti Superiore possono essere immessi in commercio a partire solo dal 1° settembre di ogni anno」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。