テージョ川沿いの広いDOP。認可品種が120件を超える一方で、6つのサブリージョンには固有の規定がいっさいない。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
この規定書には版も日付も書かれていません(PDO-PT-A1544という識別子のみ)。また認可品種の正確な件数は読み取りが安定しませんでした(120件超とだけ確認)。上に挙げたのは確実に読み取れた品種だけです。
黒ぶどう・共通
- トゥリガ・ナシオナル原文表記: Touriga Nacional N。当サイトに品種ページはまだありません
- トゥリガ・フランカ原文表記: Touriga Franca N
- ティンタ・バローカ原文表記: Tinta Barroca N
- ジャエン原文表記: Jaen N
- バスタルド原文表記: Bastardo N
- ルフェテ原文表記: Rufete N
- ピノ・ノワール原文表記: Pinot Noir N
- プティ・ヴェルド原文表記: Petit Verdot N
白ぶどう
- シャルドネ原文表記: Chardonnay B
- ピノ・ブラン原文表記: Pinot Blanc B
- ピノ・グリ原文表記: Pinot Gris G
- セミヨン原文表記: Sémillon B
- ゲヴュルツトラミネール原文表記: Gewürztraminer Rs
- エンクルザード原文表記: Encruzado B
- ビカル原文表記: Bical B
- セルシアル原文表記: Sercial B
- シリア原文表記: Siria B
- ロウレイロ原文表記: Loureiro B
規定の要点
- 規定書は品種を推奨/認可に分けていない。OIVのリストに沿った120件を超える品種が1つの表に並ぶ(上に挙げたのはその一部)
- 品種名をラベルに出すときの比率の規定はない
- 収量は赤・ロゼ80hl/ha、白90hl/ha(原文は「hectolitros」と綴り字で書いている)
- 最低実効アルコール度数(adquirido)は赤・ロゼ11.5%vol/白11%vol/高品質スパークリング10.5%vol/酒精強化酒17.5%vol
- 果汁の最低自然アルコール度数(natural)は赤11.5%vol/白11%vol/スパークリング用ベース9.5%vol/酒精強化酒12%vol
- スパークリングは、タンク内二次発酵を選んだ場合だけ9か月以上の熟成が義務。瓶内二次発酵を選んだ場合の期間は書かれていない
- サブリージョンは6つ(アルメイリン/カルタショ/シャムスカ/コルーシェ/サンタレン/トマール)。サブリージョンごとの固有の収量・アルコール規定はない
この産地でわかったこと
赤の自然アルコールの下限(11.5%vol)と実効アルコールの下限(11.5%vol)が同じです。白も11%volで同じ。ふつう自然(糖から得られる潜在値)は実効(実際の数値)より高く設定されるので、補糖なしで下限ぎりぎりの果汁を使うと、糖を少しでも残した瞬間に実効の下限を割るという書き方になっています。もうひとつ、120を超える品種を1つの表に並べながら、6つのサブリージョンには固有の規定をいっさい与えていません。地理は細かく分けるが、ワインの中身は細かく分けない。認可品種が3つしかないブセラスと並べると、同じ国のDOPで品種規制の思想が正反対です。
出典
生産規定ポルトガル ブドウ・ワイン研究所(IVV, I.P.)— DO DoTejo 生産規定
https://www.ivv.gov.pt/wp-content/uploads/2026/02/DO_Do-Tejo.pdfPDO-PT-A1544。根拠は Portaria nº 140/2010。品種リスト、収量、アルコール度数、スパークリングの熟成、6つのサブリージョン(2026年10月6日に確認)「O rendimento máximo por hectare das vinhas destinadas aos vinhos e produtos vínicos com direito à DO «DoTejo» é fixado em 80 hectolitros para o vinho tinto e rosado e 90 hectolitros para o vinho branco.」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。