リスボン近郊の白だけのDOP。認可品種が3つしかない。しかも「ラベルに書くときの比率」ではなく「ワインそのものの構成比」でアリントを75%以上と縛る。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
白ぶどう
- アリントワインの75%以上 / 原文表記: Arinto B。当サイトに品種ページはまだありません
- セルシアル原文表記: Sercial B
- ラボ・デ・オヴェーリャ原文表記: Rabo de Ovelha B
規定の要点
- 認可品種はアリント/セルシアル/ラボ・デ・オヴェーリャの3つだけ。3つとも白なので、規定の段階で赤を造る道が閉じている
- ワインはアリントが最低75%(ラベル表示の条件ではなく、ワインの構成そのものの義務)
- 収量は70hl/ha(kg/haの表記はない)
- 最低実効アルコール度数(adquirido)はスティルもスパークリングも10.5%vol。果汁の最低自然アルコール度数(natural)は10.5%vol
- スパークリングは瓶内二次発酵(fermentação clássica em garrafa)が義務
- Superior/Reserva/Garrafeira などの伝統的表示は列挙されているが、期間の規定はない
この産地でわかったこと
認可品種が3つしかないというのが、まず異例です。当サイトのポルトガルの産地ではテージョが120品種以上、ターヴォラ・ヴァローザが40品種を並べるのに対して、ここは3つ。しかもその3つがすべて白なので、規定の段階で赤を造る道が閉じています。もうひとつ、縛り方が「ラベルに品種名を書くなら何%以上」ではなく、「ワインそのものがアリント75%以上でなければならない」という形。名乗り方の条件ではなく、中身の条件として書かれています。
出典
生産規定ポルトガル ブドウ・ワイン研究所(IVV, I.P.)— DO Bucelas 生産規定
https://www.ivv.gov.pt/wp-content/uploads/2026/02/DO_Bucelas.pdfPDO-PT-A1463。管理団体はリスボン地方ワイン委員会(CVR Lisboa)。品種リスト、アリント75%、収量、アルコール度数(2026年10月6日に確認)「O vinho BUCELAS é constituído predominantemente pela casta Arinto (mínimo de 75%)」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。