winovibe

フランス / AOC

タヴェル

Tavel

タヴェル(Tavel)はフランスのAOC。規定に11品種が列挙されている。比率が決まっているのはグルナッシュ(グルナッシュ系で30〜60%)など11品種。当サイトは一次資料2件から引いている。

当サイトでただひとつのロゼ専用AOC。赤も白も作れない。グルナッシュ系を作付面積の30〜60%に収め、どの主要品種も60%を超えてはいけない。最低糖度はムールヴェードルとシラーだけ9 g/l低い。

規定で認められている品種

生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。

黒ぶどう・共通

規定の要点

  • AOCタヴェルはロゼのスティルワインだけに与えられる(第I章III)
  • ガール県のタヴェルとロックモール。タヴェル内の「ル・プラン」「レ・プレ」「ガルーヤ」は区画から除外。ロックモールはマニシの特定区画(K 310〜337)のみ
  • 土壌は4種類(石灰質粘土の櫛状地形=テラ・ロッサ/ヴァロングの台地の玉石/砂質の斜面と谷/白い崖錐土)
  • グルナッシュ系(黒・白・グリ)の合計は作付面積の30%超60%未満
  • 主要品種は各60%以下、補助品種は各10%以下
  • グルナッシュ・ノワールはアッサンブラージュに必須
  • 収量は46 hl/ha、rendement butoir は50 hl/ha、52 hl/haを超えると権利を失う
  • 植栽密度は1haあたり4,000株以上。伝統的な株仕立て(gobelet)は3,500株。畝間2.25m以下、1株あたり2.50m²以下
  • 最低自然アルコール度数は11.5%。補糖後の総アルコール度数は13.5%以下
  • 最低糖度はムールヴェードルとシラーが189 g/l、その他の黒品種が198 g/l、白品種が187 g/l
  • 完成したワインの発酵性糖は4 g/l以下
  • 連続式プレス(presses continues)の使用は禁止。木片と醸造用木炭も禁止
  • ロゼの醸し時間は「白より長く、赤より短い」
  • 熟成期間と出荷解禁日の規定はない

この産地でわかったこと

ロゼしか作れないAOCです。当サイトの192産地でここだけ。縛り方も徹底していて、グルナッシュ系を30〜60%の帯に収めたうえでどの主要品種も60%を超えてはいけない。コート・ド・プロヴァンスが「単一品種90%超を禁止」、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアが「2品種のレンジ指定」で同じことをやっているのと同じ思想ですが、タヴェルはグルナッシュ・ノワールを必須にしたうえで上限も置くという二重構えです。もうひとつ面白いのは最低糖度で、ムールヴェードルとシラーだけが189 g/lと9 g/l低い。同じ黒ぶどうでも品種によって熟し方が違うことを、規定が数字で認めていることになります。

出典

生産規定タヴェルAOC 生産規定(Décret n°2011-1571 の確定版)
https://sommelier-academy.de/wp-content/uploads/2019/09/AOC_CDC_Tavel.pdf2011年11月16日のデクレ、2011年11月19日官報公示の homologué 版。第I章III(ロゼのみ)、第V章(品種と比率)、第VI章(植栽密度)、第VII章(糖度と度数)、第VIII章(収量)、第IX章(醸造)、第X章(土壌)(2026年10月6日に確認)「L'appellation d'origine contrôlée « Tavel » est réservée aux vins tranquilles rosés」

生産規定INAO — CNAOV 2016年11月23日会議 文書2016-CN420(タヴェルの区画見直し決定文)
https://extranet.inao.gouv.fr/fichier/CNAOV-2016-420-Tavel.pdf収量46/50 hl/ha、植栽密度4,000株、グルナッシュ30〜60%、最低自然アルコール11.5%、最低糖度189/198/187 g/l を確定版と突き合わせて確認(2026年10月6日に確認)

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。フランスの一部の産地も、eAmbrosiaに登録されたEU登録版の技術仕様書を使っています。これは改正案(PNO版)が混ざらない代わりに要約文書なので、最低糖度や品種の比率が記載されていないことがあり、その場合はその旨を書いています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。