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フランス / AOC

ペサック・レオニャン

Pessac-Léognan

ペサック・レオニャン(Pessac-Léognan)はフランスのAOC。規定に10品種が列挙されている。比率が決まっているのはカベルネ・ソーヴィニヨン(赤)など10品種。当サイトは一次資料3件から引いている。

ボルドー南部の10コミューン。赤と白の辛口を両方持つ。品種の比率規定はなく、熟成は月数ではなく「翌年9月15日まで」「翌年3月15日まで」という暦日で縛る。そして容器詰めは、ぶどうを収穫して醸造した本人のところで行わなければならない。

規定で認められている品種

生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。

黒ぶどう・共通

白ぶどう

規定の要点

  • 赤と白の辛口スティルワイン(vins tranquilles secs, rouges ou blancs)
  • 10コミューン(カドージャック/カネジャン/グラディニャン/レオニャン/マルティヤック/メリニャック/ペサック/サン=メダール=デイラン/タランス/ヴィルナーヴ=ドルノン)
  • 土壌は砂利と玉石(graves ou galets)、および石灰質粘土・砂・ファリュン。現代の沖積土、砂地、不透水性の基盤は除外
  • 品種の比率規定はいっさい無い。主要品種と補助品種の区別もない(第V章に%の規定が1つも書かれていない)
  • 唯一の%は高接ぎ更新の特例で、第3タイユまでは認められた品種が各区画の作付けの80%でよい(第VIII章3°。かかる対象は経営体ではなく区画)
  • 収量は赤白とも54 hl/ha、rendement butoir は60 hl/ha(色による差は無い)
  • 植栽密度は1haあたり6,500株以上。畝間は1.60mを超えてはならず、同じ畝の株間は0.80mを下回ってはならない
  • 剪定は遅くとも「葉が展開した段階(ロレンツ第9段階)」まで。1株あたり12芽まで。長梢の芽数は品種で分かれ、カベルネ・ソーヴィニヨン/コット/メルロー/ミュスカデル/プティ・ヴェルド/セミヨンが7芽、カベルネ・フラン/カルメネール/ソーヴィニヨン・ブランが8芽。1株あたり12房まで
  • 最低糖度はメルロー189 g/l、その他の黒ぶどう180 g/l、ソーヴィニヨン・ブランとソーヴィニヨン・グリ187 g/l、その他の白ぶどう178 g/l(第VII章2°a)。最低自然アルコール度数は赤白とも11%
  • 補糖後の総アルコール度数の上限は白13%、赤13.5%。発酵性糖は白4 g/l以下、赤2 g/l以下
  • 赤は収穫の翌年9月15日まで、白は翌年3月15日まで熟成させる(=月数ではなく暦日で縛る)
  • 赤は、年間の平均生産量の3分の1以上を入れられる容量の樽熟成の場所を持つことが義務。白の樽熟成庫は「推奨」にとどまる
  • 容器詰めは「ぶどうを収穫し、そのワインを醸造した事業者のところで」行わなければならない(第IX章3°a)。容器はガラス瓶、または5リットル以下の密閉・真空の容器。「瓶詰め」限定ではなく、バッグ・イン・ボックスのような容器も認められている
  • 消費者への販売は白が収穫の翌年3月30日から、赤が翌年10月1日から

この産地でわかったこと

容器詰めを「ぶどうを収穫して醸造した本人のところで」行うことが義務——つまり元詰めの義務化です。当サイトの多くの産地が「醸造と瓶詰めは区域内で」と書きますが、ペサック・レオニャンは場所ではなく事業者の同一性まで縛っています。ぶどうを作った人が容器に詰めるところまでやる、という設計です。ただし条文は `mise en bouteille`(瓶詰め)ではなく `conditionnement`(容器詰め)と書いていて、ガラス瓶に限定していません。5リットル以下の密閉・真空容器も認められている。縛っているのは容器の形ではなく、誰が詰めるかのほうでした。もうひとつ、熟成の書き方が暦日なのも特徴的です。「12か月」ではなく「翌年9月15日まで」(赤)、「翌年3月15日まで」(白)。収穫時期は年によって動きますから、月数で書くのと暦日で書くのとでは、早摘みの年と遅摘みの年で意味が変わってきます。そして赤だけは、樽熟成の場所を持つこと自体が義務になっています(年間生産量の3分の1以上が入る容量)。白は「推奨」どまり。設備の保有を条件にする規定は、当サイトでここだけです。

出典

生産規定ボルドー大産地連合会(FGVB)— 官報の施行版の写し
https://fgvb.fr/wp-content/uploads/2021/04/CDC-Pessac-Leognan-homologue-par-arrete-10decembre2024-boma-19decembre2024.pdfAOC「Pessac-Léognan」生産規定(統合版)。arrêté du 10 décembre 2024 でホモロゲーション、2024年12月12日JORF掲載、2024年12月19日BO agri公示。第I章 II・IV・V・VI・VII・VIII・IX(2026年10月19日に確認)「ceux-ci sont conditionnés soit en bouteilles de verre, soit dans des contenants hermétiques et sous vide」

生産規定ボルドー大産地連合会(FGVB)— 官報の施行版の写し
https://fgvb.fr/wp-content/uploads/2021/04/CDC-Pessac-Leognan-homologue-par-arrete-10decembre2024-boma-19decembre2024.pdf同 第I章 IX項3°a。容器詰めを行う事業者の要件「chez l'opérateur récoltant les raisins et vinifiant ces vins」

生産規定フランス農業・食料主権省 BO-AGRI(官報)— AOC「Blavia」生産規定
https://info.agriculture.gouv.fr/boagri/document_administratif-12cbebf6-c304-4ffc-9e33-cd22eb5fafbf/telechargementペサック・レオニャンと同じ arrêté du 10 décembre 2024 で一括ホモロゲーションされた別AOC。上の写しのアレテ日付・JORF日・BO公示日が官報と一致することの裏取りに使用

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。フランスの一部の産地も、eAmbrosiaに登録されたEU登録版の技術仕様書を使っています。これは改正案(PNO版)が混ざらない代わりに要約文書なので、最低糖度や品種の比率が記載されていないことがあり、その場合はその旨を書いています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。