winovibe

ドイツ / g.U.

ザクセン

Saxony

エルベ川の両岸、ピルナとディースバー=ゾイスリッツの間。収量上限80 hl/haは当サイトのドイツの産地で最も厳しい。そして赤品種にはアウスレーゼまでしか段階が用意されていない。

規定に名前が出てくる品種

ドイツの製品仕様書には品種の比率規定がありません。縛っているのは収量上限と最低果汁糖度(Mostgewicht、単位は°Oechsle=エクスレ度)の2つだけです。最低糖度は「品種グループ×プレディカート(肩書き)の段階」という二次元の表になっていて、どの品種を名指しで低く/高く扱うかに、その産地の性格が出ます。仕様書には品種の一覧表もありますが、これは複数の産地で番号も順序も同一の全国共通リストなので、当サイトでは「その産地の主要品種」として扱っていません。以下に挙げているのは、最低糖度の表が名指ししている品種です。

黒ぶどう・共通

規定の要点

  • ザクセンのエルベ谷、ピルナとディースバー=ゾイスリッツの間、エルベ川の両岸。畑はエルベとその支流沿いの南向き斜面(一部は急斜面)。加えてザクセン=アンハルト州のイェッセン付近に砂質土壌の飛び地がある
  • 地質はマイセンの花崗岩=閃長岩層の上に白亜紀の砂岩が重なり、風化土壌とレスを含む氷河性堆積物
  • 品種の比率規定はない
  • 収量上限は80 hl/ha
  • 白・ルーレンダー/トラミーナー/ヴァイスブルグンダー:クヴァリテーツヴァイン65°Oe/カビネット78°Oe/シュペートレーゼ85°Oe/アウスレーゼ90°Oe/ベーレンアウスレーゼとアイスヴァイン110°Oe/トロッケンベーレンアウスレーゼ150°Oe
  • 白・その他の品種:クヴァリテーツヴァイン60°Oe/カビネット73°Oe/シュペートレーゼ80°Oe/アウスレーゼ88°Oe/以下は上と同じ
  • 赤・ポルトギーザーとドルンフェルダー:クヴァリテーツヴァイン60°Oe/カビネット73°Oe/シュペートレーゼ80°Oe/アウスレーゼ88°Oe
  • 赤・その他の品種:クヴァリテーツヴァイン65°Oe/カビネット78°Oe/シュペートレーゼ85°Oe/アウスレーゼ90°Oe
  • 赤品種のベーレンアウスレーゼ・トロッケンベーレンアウスレーゼ・アイスヴァインは規定に記載がない
  • プレディカーツヴァインは補糖禁止

この産地でわかったこと

収量上限80 hl/haは当サイトのドイツの産地で最も厳しい数字です。ヴュルテンベルクの急斜面150 hl/haのほぼ半分、ナーエやミッテルラインの105 hl/haより25 hl/ha低い。そしてこの産地の表でいちばん目を引くのは、赤品種にアウスレーゼまでしか段階がないことです。ベーレンアウスレーゼ以上は白だけの世界。冷涼なエルベ谷で、赤の貴腐や凍結をそもそも想定していないという設計が表の形そのものに出ています。品種の切り方も特徴的で、ルーレンダー・トラミーナー・ヴァイスブルグンダーというアルザス的な3品種が高い側の枠に名指しされています。この組み合わせはドイツの産地でザクセンだけです。

出典

生産規定欧州委員会 eAmbrosia — Sachsen 製品仕様書(Technische Unterlage)
https://webgate.ec.europa.eu/eambrosia-api/api/v1/attachments/11680PDO-DE-A1277、Ares(2011)1393809(2011年12月21日)。第5.1.1節・第5.1.2節(最低糖度)(2026年10月6日に確認)「liegt im sächsischen Elbtal zwischen Pirna und Diesbar-Seußlitz, rechts und links der Elbe」

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。