winovibe

ドイツ / g.U.

ナーエ

Nahe

ビンゲン・アルゼンツ・モンツィンゲンが作る三角形の内側。最低糖度の表はカビネットまで全品種一律なのに、シュペートレーゼから急に4つに分岐する。赤品種はミュラー・トゥルガウとシルヴァーナーと同じ値に置かれ、ほかの白品種より低い。

規定に名前が出てくる品種

ドイツの製品仕様書には品種の比率規定がありません。縛っているのは収量上限と最低果汁糖度(Mostgewicht、単位は°Oechsle=エクスレ度)の2つだけです。最低糖度は「品種グループ×プレディカート(肩書き)の段階」という二次元の表になっていて、どの品種を名指しで低く/高く扱うかに、その産地の性格が出ます。仕様書には品種の一覧表もありますが、これは複数の産地で番号も順序も同一の全国共通リストなので、当サイトでは「その産地の主要品種」として扱っていません。以下に挙げているのは、最低糖度の表が名指ししている品種です。

黒ぶどう・共通

規定の要点

  • フンスリュック(ゾーンヴァルト)、北部上ライン低地、ザール=ナーエ山地の3つの自然地域にまたがる。平均標高約210m、平均傾斜12.5%
  • 地質はデヴォン紀の砂岩・粘板岩・珪岩と、火山岩を含む広範なロートリーゲンデ。年平均気温9.3℃、年降水量580mm
  • 品種の比率規定はない
  • 収量上限は105 hl/ha
  • クヴァリテーツヴァインの最低糖度はリースリング57°Oe、ドルンフェルダー68°Oe、その他60°Oe
  • カビネットは全品種一律73°Oe
  • シュペートレーゼはリースリング78°Oe/ミュラー・トゥルガウとシルヴァーナー82°Oe/その他の白87°Oe/赤は全部82°Oe
  • アウスレーゼはリースリング85°Oe/ミュラー・トゥルガウとシルヴァーナー92°Oe/その他の白95°Oe/赤は全部92°Oe
  • ベーレンアウスレーゼとアイスヴァインは120°Oe、トロッケンベーレンアウスレーゼは150°Oe(全品種)
  • クヴァリテーツヴァインは総アルコール15%volまで補糖できるが、プレディカーツヴァインは補糖禁止

この産地でわかったこと

この産地の表はカビネットだけ全品種一律73°Oeで、シュペートレーゼになって初めて4つに分岐します。「肩書きの入口は品種を問わない、そこから上は品種ごと」という設計です。もうひとつ目を引くのは赤品種の置き場所で、シュペートレーゼでもアウスレーゼでも、赤はミュラー・トゥルガウとシルヴァーナーと同じ値、つまり「その他の白」より5°Oeほど低いところに置かれています。アールが赤に白より高い数字を課しているのと正反対で、同じドイツでも赤の扱いが産地ごとに逆を向いていることになります。

出典

生産規定欧州委員会 eAmbrosia — Nahe 製品仕様書(Technische Unterlage)
https://webgate.ec.europa.eu/eambrosia-api/api/v1/attachments/11675PDO-DE-A1271、Ares(2011)1393748(2011年12月21日)。第5節(収量上限・最低糖度・補糖)、第6節(品種)(2026年10月6日に確認)「Der Hektarhöchstertrag ist auf 105 hl/ha festgesetzt.」

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。