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オーストリア / DAC

カルヌントゥム

Carnuntum DAC

ウィーンの東のDAC。混和の許容を「15%まで」ではなく「主要品種が3分の2以上」で書く、当サイトのオーストリアでいちばんキュヴェに寛容な産地。

規定で認められている品種

生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。

黒ぶどう・共通

  • ツヴァイゲルト赤はこの2品種で3分の2以上 / 原文表記: Zweigelt
  • ブラウフレンキッシュ赤はこの2品種で3分の2以上 / 原文表記: Blaufränkisch
  • その他の品質ワイン用品種残りの3分の1 / 原文表記: Darüber hinaus sind sämtliche Qualitätsrebsorten zulässig

白ぶどう

規定の要点

  • 白はシャルドネ/ヴァイスブルグンダー/グリューナー・フェルトリーナー、赤はツヴァイゲルト/ブラウフレンキッシュから造る。ブレンドの場合は、この主要品種で3分の2以上。残りの3分の1にはすべての品質ワイン用品種を使える
  • 階層はゲビーツヴァイン/オルツヴァイン/リーデンヴァインの3つ。品種も分析値も残糖も3階層でまったく同じで、変わるのは産地の絞り込みと混和の許容と申請日だけ
  • オルツヴァインは6つの指定地区、リーデンヴァインはブドウ畑台帳に登録された畑。リーデンヴァインは隣接する畑のカルヌントゥムDACを15%まで混ぜてよい
  • 赤は12.0%vol以上。白には最低アルコール度数の規定がない(オーストリアのワイン法が定める品質ワインの下限9.0%volが効く)
  • 残糖は「トロッケン(辛口)」の表示に合致すること
  • 申請解禁はゲビーツヴァインには規定がなく、オルツヴァインが白は収穫翌年3月15日、赤は11月1日から。リーデンヴァインはオルツヴァインの条件を引き継ぐ
  • ラベルの「DAC」は上付きで、「Carnuntum」の文字の半分以下の大きさで書く
  • カルヌントゥムDACを名乗らないワインは、州名より細かい地名を使えない
  • 最低果汁糖度15°KMW、収量10,000kg/ha(7,500L/ha)はDAC法令ではなく製品仕様書に書かれている

この産地でわかったこと

混和の許容を「15%まで」ではなく「主要品種が3分の2以上」で書いています。残りの3分の1にはすべての品質ワイン用品種を使えるので、15%しか認めないヴァインフィアテルやクレムスタール、ミッテルブルゲンラントよりはるかにキュヴェに寛容です。もうひとつ、3階層あるのに、階層間で変わるのは「地理と混和の15%と申請日」だけ。品種もアルコールも糖度も同じで、当サイトのオーストリアの産地ではもっとも「階層=地理だけ」の純粋な形になっています。そして同じオルツヴァインでも、白は3月15日、赤は11月1日と8か月半の差がある。最後に、DACを名乗らなかったワインは州名より細かい地名を使えないという条文があり、呼称に入らないと地名を失う構造になっています。

出典

生産規定オーストリア連邦法令情報システム(RIS)— DAC-Verordnung „Carnuntum"
https://www.ris.bka.gv.at/GeltendeFassung.wxe?Abfrage=Bundesnormen&Gesetzesnummer=20010766BGBl. II Nr. 284/2019(改正 BGBl. II Nr. 30/2022)の統合版。品種と3分の2ルール、3階層、赤の最低アルコール度数、申請解禁日、ラベルの文字サイズ、非DACワインの地名制限(2026年10月6日に確認)「Rotweine müssen aus den Rebsorten Zweigelt oder Blaufränkisch bestehen. Verschnitte müssen zumindest zu 2/3 aus den Rebsorten Zweigelt oder Blaufränkisch bestehen. Darüber hinaus sind sämtliche Qualitätsrebsorten zulässig.」

生産規定オーストリア連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)— Produktspezifikation Carnuntum
https://www.bmluk.gv.at/dam/jcr:fdf5300e-ebc1-485a-b585-8032f7edd862/Carnuntum%20Produktspezifikation.pdfEU登録用の製品仕様書。最低果汁糖度15°KMW、収量、補糖の上限はこちらに書かれている

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。