オーストリア最初のDAC。ラベルに書くアルコール度数が12.0/12.5/13.0%volの3択に固定されていて、「12.3%」とは書けない。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
白ぶどう
- グリューナー・フェルトリーナー単一品種 / 原文表記: Grüner Veltliner
規定の要点
- 品種はグリューナー・フェルトリーナーのみ。法令は「名称を損なわない程度の混和は許容する」と書くだけで%を示していない(EUに提出された製品仕様書では最大15%)
- ラベルに表示する実効アルコール度数は12.0%vol/12.5%vol/13.0%volのいずれか(2013年産以降)。レゼルヴェは13.0%vol以上
- 残糖は最大6g/L
- 階層は地理ではなく時間。国家検査番号の申請解禁は、DACが収穫翌年1月1日、レゼルヴェが3月15日、グローセ・レゼルヴェが11月1日から
- レゼルヴェは、ぶどうを買うときに請求書へ果汁糖度(KMW度)を記載する義務があり、果汁(Most)の買い入れは禁止。瓶詰めは自社かつヴァインフィアテル内で行う
- 6人の審査員のうち4人の承認が必要
- 熟成期間・容器の規定はDAC法令にない
- 最低果汁糖度15°KMW、収量10,000kg/haまたは7,500L/haはDAC法令ではなく製品仕様書に書かれている
この産地でわかったこと
差をつけている軸が「時間」と「アルコール」だけです。品種は最初からグリューナー・フェルトリーナー1つに固定され、地理でも分けない。当サイトのオーストリアの産地ではヴァッハウが「格が上がるほど品種が減る」仕組みでしたが、ここはそもそも品種が1つなので、刻めるものが時間しか残っていないという作りです。もうひとつ、ラベルに書くアルコール度数が3択に固定されているのが珍しいところ。12.0/12.5/13.0のいずれかで、「12.3%」とは書けません。法令がラベルの数値そのものを選択肢にしている例です。そしてレゼルヴェのいちばん本質的な縛りは、糖度でも樽でもなく「果汁を買ってはいけない・自分の蔵で瓶詰めしろ」という原料と工程の規制でした。
出典
生産規定オーストリア連邦法令情報システム(RIS)— DAC-Verordnung „Weinviertel"
https://www.ris.bka.gv.at/GeltendeFassung.wxe?Abfrage=Bundesnormen&Gesetzesnummer=20006693BGBl. II Nr. 58/2010(最終改正 BGBl. II Nr. 587/2020)の統合版。品種、表示アルコール度数、残糖、申請解禁日、レゼルヴェの条件(2026年10月6日に確認)「Bei Zukauf von Trauben ist auf der Rechnung der Vermerk „Trauben für „Weinviertel DAC Reserve" und das natürliche Mostgewicht, ausgedrückt in Grad Klosterneuburger Mostwaage, anzugeben. Der Zukauf von Most für die Erzeugung von „Weinviertel DAC Reserve" ist nicht zulässig.」
生産規定オーストリア連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)— Produktspezifikation Weinviertel
https://www.bmluk.gv.at/dam/jcr:9b20925e-aec1-4ea0-ae0f-8ae7373cd2d6/Weinviertel%20Produktspezifikation.pdfEU登録用の製品仕様書。最低果汁糖度15°KMW、収量10,000kg/ha(7,500L/ha)、補糖の上限2.0%vol(悪天候年2.5%vol)はこちらに書かれている
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。