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オーストリア / DAC

クレムスタール

Kremstal DAC

ニーダーエスターライヒのDAC。地理の階層と品質の階層を、アルコール度数0.5%volずつのはしごだけで同時に表現している。

規定で認められている品種

生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。

黒ぶどう・共通

  • その他の品質ワイン用品種15%まで / 原文表記: ein darüber hinaus gehender bezeichnungsunschädlicher Verschnitt (15%)

白ぶどう

規定の要点

  • 品種はグリューナー・フェルトリーナーまたはリースリング。ほかの品質ワイン用品種を15%まで混ぜてよい。すべての区分で同じ2品種
  • 区分は「クレムスタールDAC」/「村名付き」/「村名+畑名付き」/「レゼルヴェ」。法令に Gebietswein / Ortswein / Riedenwein という語は一度も出てこない
  • 表示する実効アルコール度数が0.5%volずつの階段になっている(2023年産以降)。クレムスタールDAC 11.5%vol/村名付き 12.0%vol/村名+畑名付き 12.5%vol/レゼルヴェ 13.0%vol
  • (2022年産までは 12.0/12.0/12.5/13.0 で、2023年産から下限が12.0→11.5に下げられた)
  • 残糖は「トロッケン(辛口)」の表示に合致すること
  • 申請解禁はクレムスタールDAC(村名付きを含む)が収穫翌年1月1日、畑名付きが3月1日、レゼルヴェが7月1日から
  • バンデロール(封緘シール)を貼らないと販売できない
  • 6人の審査員のうち4人の承認が必要。3対3なら再審査
  • 最低果汁糖度15°KMW、収量10,000kg/ha(7,500L/ha)はDAC法令ではなく製品仕様書に書かれている

この産地でわかったこと

地理の階層と品質の階層を、アルコール度数のはしごだけで同時に表現しています。11.5 → 12.0 → 12.5 → 13.0と0.5%volずつ上がり、それがそのまま「クレムスタール → 村名 → 村名+畑名 → レゼルヴェ」に対応する。当サイトのオーストリアの産地では、いちばん分かりやすい「糖度で刻む」型です。そして2023年産を境に、いちばん下の段が12.0から11.5に下げられています。暖かくなってアルコールが上がりすぎる中で、法令のほうが下限を緩めて「軽いクレムスタール」を合法化した跡が、条文に二重に書き残されているかたちです。なお畑名は村名の上に足す形でしか使えないので、畑名だけのラベルは作れません。

出典

生産規定オーストリア連邦法令情報システム(RIS)— DAC-Verordnung „Kremstal"
https://www.ris.bka.gv.at/GeltendeFassung.wxe?Abfrage=Bundesnormen&Gesetzesnummer=20010006BGBl. II Nr. 273/2017(最終改正 BGBl. II Nr. 250/2024)の統合版。品種、区分、表示アルコール度数の階段、申請解禁日、バンデロール(2026年10月6日に確認)「Ab dem Jahrgang 2023 ist der vorhandene Alkoholgehalt am Etikett bei Kremstal DAC mit mindestens 11,5 % vol. ... anzugeben.」

生産規定オーストリア連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)— Produktspezifikation Kremstal
https://www.bmluk.gv.at/dam/jcr:1862785e-6b29-4856-8e65-55955bd4c9c4/Kremstal%20Produktspezifikation.pdfEU登録用の製品仕様書。最低果汁糖度15°KMW、収量、補糖の上限はこちらに書かれている

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。