グレーラから造る泡のDOC。規定書には「グレーラ85%以上」とは書かれておらず、「グレーラの畑であること」と「他の8品種を合計15%まで」という書き方になっている。ロゼだけはピノ・ネロを赤仕込みで10〜15%入れることが義務。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
ロゼ用のピノ・ネロには別途の数値が定められていますが、2回読み直しても収量(13.5t/ha)なのか最低自然アルコール(13.5%vol)なのかが一致しなかったため、この数値は載せていません。
黒ぶどう・共通
- ヴェルディーゾ8品種の合計で15%まで / 原文表記: Verdiso
- ビアンケッタ・トレヴィジャーナ8品種の合計で15%まで / 原文表記: Bianchetta trevigiana
- ペレーラ8品種の合計で15%まで / 原文表記: Perera
- グレーラ・ルンガ8品種の合計で15%まで / 原文表記: Glera lunga
- シャルドネ8品種の合計で15%まで
- ピノ・ブラン(ピノ・ビアンコ)8品種の合計で15%まで / 原文表記: Pinot bianco
- ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)8品種の合計で15%まで / 原文表記: Pinot grigio
- ピノ・ノワール(ピノ・ネロ)白仕込みなら15%枠/ロゼは赤仕込みで10〜15%が義務 / 原文表記: Pinot nero
白ぶどう
- グレーラ補助品種を合計15%まで認める形で規定 / 原文表記: Glera。当サイトに品種ページはまだありません
規定の要点
- タイプは プロセッコ/プロセッコ・スプマンテ/プロセッコ・スプマンテ・ロゼ/プロセッコ・フリッツァンテ の4つ
- 品種はグレーラの畑であることが条件で、ヴェルディーゾ、ビアンケッタ・トレヴィジャーナ、ペレーラ、グレーラ・ルンガ、シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・グリージョ、ピノ・ネロ(白仕込み)を合計15%まで
- ロゼはグレーラ85〜90%+ピノ・ネロ(赤仕込み)10〜15%と、上下の幅で決められている
- 収量は18t/ha、ぶどうからワインへの歩留まりは75%まで
- 収穫時の最低自然アルコール度数はプロセッコ9.5%vol、スプマンテとフリッツァンテ9.0%vol
- ロゼは60日以上の製造期間(periodo di elaborazione)が必要
- サブ名称のトレヴィーゾは、ぶどうの収穫も醸造も瓶詰めもすべて同じ県の中で行った場合のみ。トリエステは、収穫が同じ県で、醸造と瓶詰めがフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の中で行われた場合のみ
この産地でわかったこと
「グレーラ85%以上」という条文は、規定書の中にありません。書かれているのは「グレーラの畑であること」と「ほかの8品種を合計15%まで」という形で、結果として85%になるだけです(ルエダの「ベルデホ何%以上」が無いのと同じ書き方)。もうひとつ、トレヴィーゾとトリエステは品種ではなく「場所の完結性」で区別されています。畑・醸造・瓶詰めがその県(州)の中で完結していることが条件で、中身の違いではなくどこで全部やったかを名乗る仕組みです。
出典
生産規定イタリア農業・食料主権・森林省(Masaf)— Prosecco D.O.C. 統合版生産規定
https://www.masaf.gov.it/flex/cm/pages/ServeBLOB.php/L/IT/IDPagina/234812025年9月22日の政令に添付された統合版。第1条 タイプ、第2条 品種構成、第4条 収量・歩留まり・最低自然アルコール、第5条 ロゼの製造期間とサブ名称(2026年10月6日に確認)「possono concorrere... fino ad un massimo del 15%, i seguenti vitigni: Verdiso, Bianchetta trevigiana, Perera, Glera lunga, Chardonnay, Pinot bianco, Pinot grigio e Pinot nero (vinificato in bianco).」
生産規定イタリア農業・食料主権・森林省(Masaf)— 同生産規定 第4条
https://www.masaf.gov.it/flex/cm/pages/ServeBLOB.php/L/IT/IDPagina/23481歩留まりの条文「La resa massima dell'uva in vino non deve essere superiore al 75%.」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。