ファルツ(Pfalz)はドイツの栽培地域。制度として品種を定めていない。当サイトは一次資料2件から引いている。
ドイツ第2位の栽培面積(2024年 23,787ha)。白69:黒31で、リースリングが5,926ha(24.9%)と突出する。赤ワイン用品種の面積はドイツ最大。
実際に多く植えられている品種
ドイツの栽培地域(Anbaugebiet)は、AOCのように品種を絞り込む制度ではありません。2021年の改正ワイン法で品種の格付けは連邦レベルの全国一律になり、州独自の品種リストは廃止されました。ただし g.U.(原産地呼称保護)として売るには、各産地の保護団体が定める製品仕様書にその品種が載っている必要があります。ラインヘッセンの仕様書には約100品種以上が列挙されており、「品種の規定がない」のではなく「規定はあるが極めて広い」というのが正確です。以下は規定の列挙ではなく、栽培面積の統計にもとづく実態です。
黒ぶどう・共通
- ドルンフェルダー10.1% / 2,411ha/2024年
- ピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)7.4% / 1,757ha/2024年
- ポルトギーザー4.2% / 994ha/2024年
白ぶどう
- リースリング24.9% / 5,926ha/2024年
- ピノ・グリ(グラウブルグンダー)9.4% / 2,235ha/2024年
- ミュラー・トゥルガウ6.6% / 1,563ha/2024年
- ピノ・ブラン(ヴァイスブルグンダー)6.3% / 1,506ha/2024年
- シャルドネ4.2% / 1,003ha/2024年
- ソーヴィニヨン・ブラン3.4% / 804ha/2024年。ドイツ全体の約40%がファルツに集中
制度上の位置づけ
- Anbaugebiet はEUの原産地呼称保護(g.U.)にあたる単位で、ドイツ全体で13地域
- 品種の格付けは2021年の改正ワイン法で連邦レベルの全国一律になり、州独自の品種リストは存在しない
- 2021年改正の産地ピラミッド(Anbaugebiet → Region → Ortswein → Lagenwein)が適用され、最上位の Großes Gewächs は収量50hl/ha・自然アルコール11%以上・手摘み・単一品種・辛口が条件
この産地でわかったこと
ドイツの産地で見るべきは、2021年の改正ワイン法で入った産地ピラミッドです(Anbaugebiet → Region → Ortswein → Lagenwein)。最上位の Großes Gewächs は収量50hl/ha・自然アルコール11%以上・手摘み・単一品種・辛口。品種を地域ごとに絞るのではなく、格ごとに条件を積むという、フランスとは別の作り方です。
出典
統計・制度Deutsches Weininstitut(ドイツワイン協会)
https://www.deutscheweine.de/fileadmin/DWI/News_Medien/Publikationen/Deutscher_Wein_Statistik/Statistik_2025.pdf『Deutscher Wein Statistik 2025/2026』2024年調査の産地別・品種別栽培面積「Bestockte Rebflächen und wichtige Rebsorten nach Anbaugebieten 2024」
統計・制度DLR Rheinland-Pfalz(ラインラント=プファルツ州農業サービスセンター)
https://www.dlr.rlp.de/DLR-RLP/Aktuelles/Weinbau/ZurHerstellungvonWeinzugelasseneRebsorteninRLP醸造用ぶどう品種の法的な格付けの解説「Eine länderspezifische Klassifizierung (eigene Sortenliste für Rheinland-Pfalz) gibt es somit nicht mehr.」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。フランスの一部の産地も、eAmbrosiaに登録されたEU登録版の技術仕様書を使っています。これは改正案(PNO版)が混ざらない代わりに要約文書なので、最低糖度や品種の比率が記載されていないことがあり、その場合はその旨を書いています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。