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オーストリア / DAC

ライタベルク

Leithaberg DAC

ブルゲンラントのDAC。産地の境界を「畑の名前まで」法令が書いている。差をつけているのはアルコールでも糖度でもなく、色と待ち時間。

規定で認められている品種

生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。

申請解禁日が、法令と製品仕様書で食い違っています。上に載せているのは法令(BGBl. II Nr. 191/2023 までを反映した統合版)の数字で、製品仕様書のほうは「白は収穫翌年の4〜6月、赤は2年後の4〜6月」と別の書き方をしています。また最低実効アルコール度数12.5%volは製品仕様書にしかなく、DAC法令には書かれていません(法令だけを読むと、オーストリアのワイン法が定める品質ワインの下限9.0%volが効きます)。赤の混和の許容%も法令には書かれていません。

黒ぶどう・共通

白ぶどう

規定の要点

  • 赤はブラウフレンキッシュから造る。白はヴァイサー・ブルグンダー/シャルドネ/ノイブルガー/グリューナー・フェルトリーナー、またはこの4品種のブレンド
  • 産地の境界を法令が「畑の名前まで」書いている。ノイジードル・アム・ゼー町のうちHausberg/Neuberg/Marthalwald/Landstraße Hutweide の4つの畑だけがライタベルクに入る
  • 区分は「より細かい産地名を付けないもの」と「村名・畑名を付けるもの」の2段。品種は区分で変わらない
  • 申請解禁日が色と区分で4通り。白の広域が収穫翌年2月1日、赤の広域が5月1日、白の村名・畑名付きが5月1日、赤の村名・畑名付きは収穫の翌々年5月1日
  • 赤の残糖は2.5g/L未満
  • レゼルヴェという区分が存在しない
  • 最低果汁糖度15°KMW、収量10,000kg/ha(7,500L/ha)、赤の木樽熟成の義務は、DAC法令ではなく製品仕様書に書かれている
  • いっぽう法令の官能規定は「木の香りが感じられないか、ほとんど感じられないこと」を求めている

この産地でわかったこと

産地の境界を、法令が「畑の名前まで」書いています。ノイジードル・アム・ゼー町からは4つの畑だけがライタベルクに入る。産地の輪郭が町の単位ではなく畑の単位で歪んでいて、当サイトの産地では珍しい書き方です。そして差をつけている軸がアルコールでも糖度でもなく、「色」と「待ち時間」。赤の単一畑ものは収穫の翌々年5月まで申請できません。もうひとつ面白いのが、赤は木樽で熟成させる義務があるのに、法令の官能規定は「木の香りがほとんど感じられないこと」を求めているという組み合わせ。樽を使え、でも樽の味は出すな、という二重の注文になっています(熟成義務は製品仕様書側、官能規定は法令側)。

出典

生産規定オーストリア連邦法令情報システム(RIS)— DAC-Verordnung „Leithaberg"
https://www.ris.bka.gv.at/GeltendeFassung.wxe?Abfrage=Bundesnormen&Gesetzesnummer=20006414BGBl. II Nr. 252/2009(最終改正 BGBl. II Nr. 191/2023)の統合版。品種、畑単位の境界、申請解禁日、赤の残糖、官能規定(2026年10月6日に確認)「Der politische Bezirk Eisenstadt Umgebung, die Freistädte Eisenstadt und Rust, die politischen Gemeinden Jois und Winden sowie in der Gemeinde Neusiedl am See die Rieden Hausberg, Neuberg, Marthalwald und Landstraße Hutweide bilden das Weinbaugebiet Leithaberg.」

生産規定オーストリア連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)— Produktspezifikation Leithaberg
https://www.bmluk.gv.at/dam/jcr:a0809121-2a1f-4cf7-8034-f65a5515da94/Leithaberg%20Produktspezifikation.pdfEU登録用の製品仕様書。最低果汁糖度、収量、補糖の上限(白13.5%vol・赤14.5%vol)、赤の木樽熟成の義務はこちらに書かれている

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。