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ポルトガル / DOC

ダン

Dão DOP

ポルトガル中部のDOP。1993年11月5日という日付が規定の中に恒久的に埋め込まれていて、品種の可否が「いつ植えたか」で決まる。

規定で認められている品種

生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。

この規定書には、PDO-PT番号も版も日付も書かれていませんでした。根拠法令(1993年・1999年・2000年)から逆算するしかなく、より新しい版が存在する可能性は否定できません。また、ダンのサブリージョン(アルヴァ、ベステイロスなど)はこの規定書には出てきません。区域は市町村・教区の単位で列挙されています。

黒ぶどう・共通

  • トゥリガ・ナシオナル原文表記: Touriga-Nacional。グループ1。当サイトに品種ページはまだありません
  • テンプラニーリョ(アラゴネス)原文表記: Aragonês。グループ1
  • アルフロシェイロ原文表記: Alfrocheiro。グループ1
  • ジャエン原文表記: Jaen。グループ1
  • ティント・カン原文表記: Tinto-Cão。グループ1

白ぶどう

  • エンクルザード原文表記: Encruzado。グループ1
  • ビカル原文表記: Bical。グループ1
  • マルヴァジア・フィナ原文表記: Malvasia-Fina。グループ1
  • セルセアル・ブランコ原文表記: Cerceal-Branco。グループ1
  • ヴェルデーリョ原文表記: Verdelho。グループ1

規定の要点

  • 規定書は品種を推奨/認可ではなく「1・2・3」の番号グループで区分している
  • 1993年11月5日以降の植え替え・新植は、グループ1の品種しか使えない
  • グループ3の品種は1993年11月5日より前に植えた畑に限り、かつ全体の40%を超えない範囲で認められる
  • 収量はhl/haだけで書かれている。赤80hl、ロゼ80hl、白100hl
  • 最低実効アルコール度数(adquirido)は赤・ロゼ・白とも11%vol。別に果汁側の「潜在的な自然アルコール度数(natural em potência)」の規定もあり、adquirido と natural を使い分けている
  • 熟成義務は赤だけ8か月以上。白には熟成義務がない
  • Garrafeira/Reserva/Nobre/Novo/Colheita Tardia/Velho/Superior/Grande Escolha は表示として認められているが、期間の規定はない

この産地でわかったこと

1993年11月5日という日付が、規定の条文の中に恒久的に埋め込まれています。この日より後に植えた畑はグループ1の品種しか使えず、それより前の古い畑だけがグループ3の品種を40%まで残せる。30年以上前の経過措置が、いまも現行の規定として生きているわけです。品種の可否が「何を植えるか」ではなく「いつ植えたか」で決まるという、ほかの産地には見ない書き方になっています。もうひとつ、熟成義務が赤だけ8か月で、白にはないという非対称もあります。

出典

生産規定ポルトガル ブドウ・ワイン研究所(IVV, I.P.)— DO Dão 生産規定
https://www.ivv.gov.pt/wp-content/uploads/2026/02/DO_Dao.pdf根拠法令は Decreto-Lei n.º 376/93、Decreto-Lei n.º 178/99、Portaria n.º 8/2000。品種のグループ区分、1993年11月5日の基準日、収量、最低実効アルコール度数、赤の8か月熟成(2026年10月6日に確認)「As castas indicadas em 3, são consideradas para plantações efectuadas antes de 05-11-1993, desde que não ultrapassem 40% do conjunto.」

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。