セブレロス(Cebreros)はスペインのDO。規定に4品種が列挙されている。比率が決まっているのはガルナッチャ・ティンタ(ロゼと赤で95%以上(主要品種))など2品種。当サイトは一次資料1件から引いている。
アビラ県、シエラ・デ・グレドスの南北。標高1,000m超の区画もある。当サイトで最も細かい階層表示制度を持ち、単一区画のワインには除草剤の使用禁止と土壌分析まで課される。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
植栽密度の規定はありません。生産規定の第7節にある「1,600株/ha」「植栽の間隔は一般に2.5×2.5mより広い」は産地の実態の記述であって、規定値ではありません。クリアンサ等の熟成月数も本文になく、外部参照です(本文にあるのは起算日の11月1日だけ)。なお最低アルコール度数は表組みから読み取った値です(2回の読みで行・列とも一致)。
黒ぶどう・共通
- ガルナッチャ・ティンタロゼと赤で95%以上(主要品種)
- アルビーリョ・レアル白はこれのみ(主要品種)
- ガルナッチャ・ティントレラ認可品種
- テンプラニーリョ認可品種
規定の要点
- PDO-ES-02348。アビラ県の35市町村、1,663.16 km²
- 標高1,000m超の区画もある(セロ・グイサンドで1,303m)。北はアルベルチェ川、南はティエタル川(いずれもタホ川の支流)
- 土壌は花崗岩由来のカンビソル、レプトソル、フルビソル。砂壌土、有機物が少なく弱酸性
- 年平均12〜15℃、無霜期間215〜275日、年降水量400〜800mm(南西部は1,000mm超)
- 白はアルビーリョ・レアルのみ(exclusivamente)。ロゼと赤はガルナッチャ・ティンタを95%以上
- 新しく植える畑は主要品種(ガルナッチャ・ティンタとアルビーリョ・レアル)しか植えられない
- 収量上限は黒・白ともに8,000 kg/ha(56.00 hl/ha)。若木は1〜2年目0%、3年目33%、4年目75%、5年目以降100%と段階適用
- 搾汁率はぶどう100 kgからワイン70リットル以下(例外時は最大74リットル)
- 最低アルコール度数(実際/潜在)は白11.5%/12.0%、ロゼ11.5%/12.0%、赤12.5%/13.0%。実際と潜在が0.5%ずれている
- 収穫時の最低潜在アルコール度数は黒品種11.5%、白品種10.5%
- 熟成の起算は収穫年の11月1日から。月数は規定の本文になく外部参照
- 小地理単位が4つ名前付きで規定されている(シエラ・デ・グレドス/バリェ・デル・アルベルチェ/バリェ・デル・ティエタル/バリェ・デ・イルエラス)。名乗るにはぶどう100%がその単位産
- 「ビノ・デ・パルセラ」は単一区画のぶどう100%。さらに除草剤の使用禁止と土壌分析が求められる
- 「ビノ・デ・プエブロ」(単一市町村名)と「ビノ・デ・パラヘ」(特定の小地名)もある
- 瓶詰めは生産地域内。収穫年のラベル表示は熟成なしでも義務
この産地でわかったこと
当サイトで最も細かい階層表示制度を持っています。DOP → 小地理単位(4つ)→ ビノ・デ・プエブロ/ビノ・デ・パラヘ → ビノ・デ・パルセラ、という4段階です。アルランサがビノ・デ・プエブロ(85%)とビノ・デ・ビリャ(100%)の2段なのに対して、ここは倍の深さがあります。そして最下層の「ビノ・デ・パルセラ」には栽培方法の条件が付く。単一区画のぶどう100%というだけでなく、除草剤を使ってはいけない、土壌分析をすること。区画の名前を名乗る代償として、畑の管理まで縛られるわけです。もうひとつ、新しく植える畑は主要品種しか植えられない。ガルナッチャ・ティンタとアルビーリョ・レアルの2つだけ。認可品種は既存の畑にしか残らないので、時間をかけて品種を一本化していく設計です。搾汁率70リットルは当サイトのスペインでリベイラ・サクラの69に次ぐ厳しさです。
出典
生産規定カスティーリャ・イ・レオン州農業技術研究所(ITACyL)— DOP Cebreros 生産規定 Rev 2
https://www.itacyl.es/documents/20143/342640/PCC+DOP+CEBREROS_Rev+2+%281%29.pdf/a64c5e82-8b93-03b8-6a49-f9fa3bf78fc3?t=1779800216058PDO-ES-02348。第2節(分析特性)、第3節(醸造・熟成の起算)、第4.2節(地理)、第5節(収量)、第6節(品種・新植の制限)、第7節(標高・土壌・気候)、第8節(階層表示・瓶詰め)(2026年10月6日に確認)「cuando el vino haya sido elaborado con un 100% de las uvas procedentes de una única parcela」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。フランスの一部の産地も、eAmbrosiaに登録されたEU登録版の技術仕様書を使っています。これは改正案(PNO版)が混ざらない代わりに要約文書なので、最低糖度や品種の比率が記載されていないことがあり、その場合はその旨を書いています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。