リスボン近郊の酒精強化ワイン。アルコール度数を総・実効・自然の3種類すべてで同時に縛る当サイトで唯一の産地。しかも実効には上限(22%vol)がある。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
黒ぶどう・共通
- カステラン原文表記: Castelao N
- トリンカデイラ原文表記: Trincadeira N
- ネグラ・モーレ原文表記: Negra Mole N
- アモストリーニャ原文表記: Amostrinha N
- プレト・マルティーニョ原文表記: Preto Martinho N
白ぶどう
- ガレゴ・ドウラド原文表記: Galego Dourado B。当サイトに品種ページはまだありません
- ラティーニョ原文表記: Ratinho B
- アリント原文表記: Arinto B
- ブアル・ブランコ原文表記: Boal Branco B
- マルヴァジア・フィナ原文表記: Malvasia Fina B
- セアラ・ノヴァ原文表記: Seara Nova B
- ラボ・デ・オヴェーリャ原文表記: Rabo de Ovelha B
規定の要点
- 規定書は品種を推奨/認可に分けていない(12品種の単一リスト。白8・黒4)。品種ごとの比率規定はいっさいない
- カテゴリーは酒精強化酒(vinho licoroso)1つだけ
- 収量は55hl/ha(kg/haの表記はない)
- 総アルコール度数(total)は17.5%vol以上
- 実効アルコール度数(adquirido)は15%vol以上22%vol以下(上限まで定めている)
- 果汁の潜在的な自然アルコール度数(natural)は11%vol以上
- 熟成は木樽2年+瓶6か月が義務。起算は製造日から
この産地でわかったこと
アルコール度数を総(total)・実効(adquirido)・自然(natural)の3種類すべてで同時に縛っている、当サイトで唯一の産地です。しかも実効には15%vol以上22%vol以下と上限まである。多くの産地は下限しか決めません。そのいっぽうで、酒精強化ワインの産地なのに、酒精強化の方法が規定書に書かれていません。加えるアルコールの種類も度数も条文になく、「伝統的な醸造法と法が認める醸造実務に従う」という一般条項に委ねられている。同じポルトガルでもセトゥーバル(モスカテル)やパルメラは添加するアルコールの度数まで明記しているので、何を厳格に書き、何を上位法令に投げるかの選び方が産地ごとに違うことがよく分かります。
出典
生産規定ポルトガル ブドウ・ワイン研究所(IVV, I.P.)— DO Carcavelos 生産規定
https://www.ivv.gov.pt/wp-content/uploads/2026/02/DO_Carcavelos.pdfPDO-PT-A1462。管理団体はリスボン地方ワイン委員会(CVR Lisboa)。品種リスト、3種類のアルコール度数、収量、熟成(2026年10月6日に確認)「Título alcoométrico volúmico adquirido não inferior a 15% vol. e não superior a 22% vol.」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。