ポルトガル内陸の高地。標高300〜750mに植えられた畑だけが使える。許可品種は72にのぼるが比率の規定はいっさいなく、代わりに「セレソン(Seleção)」という上級表示を置いて、そこで品種を10に絞り、アルコール度数を1%上げ、熟成を課している。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
黒ぶどう・共通
- アラゴネス(テンプラニーリョ)セレソンの10品種
- アリント(ペデルナン)セレソンの10品種
- バスタルドセレソンの10品種
- ビカルセレソンの10品種
- マルヴァジア・フィナセレソンの10品種
- ルフェテセレソンの10品種
- シリア(ロウペイロ)セレソンの10品種
- タマレスセレソンの10品種
- トウリガ・ナシオナルセレソンの10品種
- トリンカデイラセレソンの10品種
規定の要点
- サブ地域は3つ(カステロ・ロドリゴ/コヴァ・ダ・ベイラ/ピニェル)
- 標高300〜750mの畑に限る。年間降水量400〜700mm、7月と8月は10mm未満
- 許可品種は72品種を列挙。比率の規定、最低%、主要品種の指定はいっさいない
- 収量上限は55 hl/ha(色による区別なしの単一値)
- 最低アルコール度数(実際)は赤12%、パリェテ・クラレーテ表示の赤11.5%、白とロゼ11%、セレソンの赤13%、セレソンの白12%、発泡11%、リキュールワイン15〜20%
- 潜在アルコール度数の最低値は、実際の最低値と同じと規定されている(=補糖の余地を数字の上で閉じている)
- 醸造所はDOの境界から10km以内になければならない
- セレソンは白6か月、赤12か月の熟成。発泡は瓶詰め後9か月生産者の施設に置く
この産地でわかったこと
この産地は比率をいっさい書かない代わりに、「セレソン」という上級表示に三段重ねの階段を作っています。品種を72から10に絞り、アルコール度数を1%上げ、熟成を課す。さらに醸造所の位置をDO境界から10km以内に縛るという条件が付いていて、当サイトの132産地で「醸造所の距離」を規定しているのはここだけです。もうひとつ珍しいのは、潜在アルコール度数の最低値を実際の最低値と同じ数字に置いていること。普通は潜在のほうが低く設定されていて、その差が補糖の余地になります。ここはその差をゼロにしているので、「熟していない年に糖を足して度数を作る」ことが数字の上で成立しません。
出典
生産規定ポルトガル ブドウ・ワイン研究所(IVV)— DO Beira Interior 生産規定
https://www.ivv.gov.pt/wp-content/uploads/2026/02/DO_Beira-Interior.pdfセクション1(サブ地域)、3(最低アルコール度数)、4.a(潜在・熟成)、4.b(収量)、5(地理)、6(品種)、7(地理的要因)、8(セレソンと醸造所の距離)(2026年10月6日に確認)「O local de vinificação esteja situado a uma distância não superior a 10 km em relação ao limite da DO Beira Interior」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。