ヴォウガ川の中流域、3つの市町村だけの小さなDOP。許可品種はわずか8で、最低アルコール度数9.5%はポルトガルのDOPでも最低水準。当サイトの産地でただひとつ、固定酸度の下限を数値で定めている。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
黒ぶどう・共通
- アリント白
- セルシアル白
- ドナ・ブランカ白
- ラボ・デ・オヴェーリャ白
- アマラル赤
- トウリガ・ナシオナル赤
- ジャエン赤
- エシガナ・カォン・ティント赤
規定の要点
- オリヴェイラ・デ・フラデス/サン・ペドロ・ド・スル/ヴォウゼラの3市町村。ヴォウガ川の中流域と支流のスル川・リバマ川
- 許可品種は8品種だけ(白4・赤4)。比率の規定、最低%、主要品種の指定はない
- 収量上限は赤60 hl/ha、白65 hl/ha
- 最低アルコール度数は実際9.5%、潜在9%
- 固定酸度の下限が5.0 g/l(酒石酸換算)と数値で定められている
- 接ぎ木後4年以上の樹でなければならない
- 規定書みずからが、ドウロのような段々畑とヴィーニョ・ヴェルデのような緑の景観・仕立て・低アルコールの両方に似ていると書いている
この産地でわかったこと
最低アルコール度数9.5%は当サイトのヨーロッパの産地で最も低い数字です。普通の産地は「熟させる」方向に数字を置きますが、ここは逆に低いアルコールを規定が追認している。そのうえで固定酸度の下限を5.0 g/lと数値で定めているのがこの産地だけの特徴で、「度数は上げなくていい、ただし酸は守れ」という設計がそのまま数字になっています。許可品種が8つしかないのも異例で、しかも主役はアマラルとエシガナ・カォン・ティント、つまりヴィーニョ・ヴェルデ圏の品種です。規定書自身がドウロとヴィーニョ・ヴェルデの両方に似ていると書いている産地で、一次資料に相互リンクの根拠があるのは当サイトでここだけです。
出典
生産規定ポルトガル ブドウ・ワイン研究所(IVV)— DO Lafões 生産規定
https://www.ivv.gov.pt/wp-content/uploads/2026/02/DO_Lafoes.pdfセクション2(最低アルコール度数・固定酸度)、4.a(潜在・樹齢)、4.b(収量)、5(地理)、6(品種)、7(地理的要因)(2026年10月6日に確認)
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。