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ドイツ / g.U.

フランケン

Franken

バイエルン北部、全域がマイン川系の流域。最低糖度の表でリースリングとシルヴァーナーを同じ枠に置くのはこの産地だけ。そして伝統的な扁平瓶ボックスボイテルに詰めるなら、糖度が9°Oe高くなる。

規定に名前が出てくる品種

ドイツの製品仕様書には品種の比率規定がありません。縛っているのは収量上限と最低果汁糖度(Mostgewicht、単位は°Oechsle=エクスレ度)の2つだけです。最低糖度は「品種グループ×プレディカート(肩書き)の段階」という二次元の表になっていて、どの品種を名指しで低く/高く扱うかに、その産地の性格が出ます。仕様書には品種の一覧表もありますが、これは複数の産地で番号も順序も同一の全国共通リストなので、当サイトでは「その産地の主要品種」として扱っていません。以下に挙げているのは、最低糖度の表が名指ししている品種です。

黒ぶどう・共通

規定の要点

  • シュペッサルト・オーデンヴァルト・レーン・ハスベルゲ・シュタイガーヴァルトの山地に囲まれる。全域がマイン川系の流域
  • 地質は三畳紀の岩層が支配的で、ブントザントシュタイン(砂岩)・ムシェルカルク(石灰岩)・コイパー(マール)が階段状の地形を作る。年降水量550mm未満でバイエルン州最乾燥
  • 品種の比率規定はない
  • 収量上限は90 hl/ha
  • クヴァリテーツヴァインの最低糖度は全品種63°Oe。ただしボックスボイテル(扁平瓶)に詰めるものだけ72°Oe
  • カビネットはリースリングとシルヴァーナー78°Oe/その他の白・ヴァイスヘルプスト・ロゼ・ロートリング80°Oe/赤85°Oe
  • シュペートレーゼはリースリングとシルヴァーナー87°Oe/その他90°Oe
  • アウスレーゼは全品種100°Oe、ベーレンアウスレーゼとアイスヴァインは125°Oe、トロッケンベーレンアウスレーゼは150°Oe
  • プレディカーツヴァインは補糖禁止。さらに濃縮果汁による補糖と冷凍濃縮は一律禁止

この産地でわかったこと

容器の形で最低糖度が変わる——これは当サイトの産地でここだけです。フランケンの象徴である扁平瓶ボックスボイテルに詰めるなら、クヴァリテーツヴァインの63°Oeでは足りず72°Oeが要る。規定が「瓶の形」に糖度を紐づけているわけで、伝統的な瓶を名乗るハードルを9°Oe分だけ上げていることになります。もうひとつ、この産地は補糖の方法まで禁じています。濃縮果汁を使ってはいけない、冷凍濃縮をしてはいけない。「いくらまで」ではなく「どうやって」を縛る規定は珍しい。そしてリースリングとシルヴァーナーを同じ枠に置くのもフランケンだけで、他の産地はシルヴァーナーをミュラー・トゥルガウと組にします。シルヴァーナーをリースリングと同格に扱う産地だということが、数字に出ています。

出典

生産規定欧州委員会 eAmbrosia — Franken 製品仕様書(Technische Unterlage)
https://webgate.ec.europa.eu/eambrosia-api/api/v1/attachments/11164PDO-DE-A1267(2011年12月21日)。第5.1.1〜5.1.4節(最低糖度)、第5.4節(補糖)(2026年10月6日に確認)「Die Anreicherung darf generell nicht mit konzentriertem Traubenmost oder Konzentrierung durch Kälte erfolgen.」

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。