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アメリカ / AVA

ウォラ・ウォラ・ヴァレー

Walla Walla Valley

ウォラ・ウォラ・ヴァレー(Walla Walla Valley)はアメリカのAVA。規定は品種の比率を定めていない。当サイトは一次資料2件から引いている。

ワシントン州とオレゴン州にまたがる。土壌はすべてレス(黄土)由来。2001年の境界再編では、親であるコロンビア・ヴァレーの境界を子に合わせて動かした。境界はフィート図とメートル図の両方に対応した書き方をしている。

規定に名前が出てくる品種

アメリカのAVA(American Viticultural Area)は、品種も収量も最低アルコール度数も縛りません。27 CFR 9.12 が申請者に求めるのは、①その名称が実際にぶどう栽培地と結びついていることの証拠、②境界をそこに引く根拠、③気候・地質・土壌・地形・標高の識別的特徴、④USGS地形図に境界を描き込んだもの——この4つだけです。AVA名が効いてくるのはラベルの側で、27 CFR 4.25(e)(3)(ii) が「そのAVAの境界内で育ったぶどうが85%以上」と定めています。品質の規格ではなく、原産地の真正性の規格です。したがって以下に品種を挙げている場合、それは制定時の最終規則が栽培の実態として記述している品種であって、規定上の義務ではありません。

2001年の拡張後の総面積、AVA全体の標高、制定時の資料に挙がっている品種、積算温度はいずれも取得できませんでした。2001年の規則は「約260,000エーカーのAVAに約3,500エーカーを追加」とだけ書き、合計を書いていません。また規則にある「標高250〜600メートル(820〜1,968フィート)」は拡張部分についての数値で、AVA全体の標高ではありません(2回目の読みで確認)。品種名と積算温度は2001年の規則に記載がなく、1984年の原規則(T.D. ATF-165)は今回読んでいません。

規定の要点

  • 27 CFR § 9.91。原設定はT.D. ATF-165、49 FR 4374(1984年2月6日)。2001年の再編(T.D. ATF-441、66 FR 11542)が条文全文を置き換えた
  • ワシントン州ウォラ・ウォラ郡+オレゴン州ユマティラ郡(2州にまたがる)
  • 条文が「コロンビア・ヴァレーAVAの内側に完全に含まれる」と明記。さらに2001年の規則は「コロンビア・ヴァレーAVAの境界を、ウォラ・ウォラ・ヴァレーAVAの境界と一致するように拡張する」と書いている
  • 承認地図は2枚(Walla Walla, Washington-Oregon 1980/Pendleton, Oregon-Washington 1983)
  • 境界は2,000フィート等高線・送電線・無名の軽車道・U.S. Highway 12・ワシントン=オレゴン州境・450メートル等高線・ドライ・クリークをたどる
  • 境界の記述がフィート図とメートル図の両方に対応している。「2,000フィート等高線(メートル単位の図では600〜650メートル等高線の間)」という書き方
  • 面積は申請が約300,000エーカー、1984年の承認時が約260,000エーカー(ワイン生産者2件、ぶどう60エーカー)。2001年に約3,500エーカーを追加
  • 年降水量は12.5インチ
  • 土壌は土壌保全局の分類で「低地と低位段丘の土壌」「レス質高地の土壌」「レス質・玄武岩質高地の土壌」「レス質・湖成段丘の土壌」=基本的にすべてレス(黄土)由来
  • AVAは品種も収量も最低アルコール度数も縛らない
  • ラベル表示は連邦の85%。「Washington」の語がラベルに現れると州法により95%。オレゴン側で詰める場合は OAR 845-010-0920(3) により95%か隣接州の要求比率の緩いほう

この産地でわかったこと

親の境界を子に合わせて動かした——これが2001年の再編の中身です。普通は子AVAが親の内側に収まるように線を引きますが、ここではコロンビア・ヴァレーの東の境界のほうを、ウォラ・ウォラ・ヴァレーの境界に一致させた。親子関係が「後から辻褄を合わせられた」ことが規則本文に残っています。境界の書き方も特徴的で、フィート図とメートル図の両方に対応している。「2,000フィート等高線、メートル単位の図では600〜650メートル等高線の間」という書き方をしていて、どちらの地図を持っていても同じ線が引けるようにしてあります。土壌はすべてレス(黄土)由来。コロンビア・ヴァレーのアリディソル、レッド・マウンテンのウォーデン=シャノとはまた違う単位で土地をまとめています。

出典

生産規定電子連邦規則集(eCFR)— 27 CFR § 9.91 Walla Walla Valley
https://www.ecfr.gov/current/title-27/section-9.91名称・承認地図・境界・親AVAの明記(2026年10月6日に確認)「It is entirely within the Columbia Valley viticultural area.」

生産規定連邦官報(Federal Register)— ウォラ・ウォラ・ヴァレーAVAとコロンビア・ヴァレー東境界の再編
https://www.federalregister.gov/documents/2001/02/26/01-4646/realignment-of-the-boundary-of-the-walla-walla-valley-viticultural-area-and-the-eastern-boundary-ofT.D. ATF-441、66 FR 11542(2001年2月26日)。原設定の日付・面積・降水量・土壌・親の境界を動かしたこと(2026年10月6日に確認)「This final rule also extends the boundary of the Columbia Valley viticultural area so that it coincides with the boundary of Walla Walla Valley viticultural area.」

規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。フランスの一部の産地も、eAmbrosiaに登録されたEU登録版の技術仕様書を使っています。これは改正案(PNO版)が混ざらない代わりに要約文書なので、最低糖度や品種の比率が記載されていないことがあり、その場合はその旨を書いています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。