マルケの白。格を「待つ時間」ではなく「収量と無還元エキス」で引いている規定で、エキスが14.0→15.0→16.0g/Lと1g/Lずつ階段状に上がる。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
黒ぶどう・共通
- その他の白ぶどう単独または合計で最大15% / マルケ州で栽培に適したものに限る
白ぶどう
- ヴェルディッキオ85%以上 / 原文表記: Verdicchio。当サイトに品種ページはまだありません
規定の要点
- タイプは5つ。基本/スプマンテ/パッシート/クラッシコ/クラッシコ・スペリオーレ。スペリオーレは単独では存在せず、「クラッシコ・スペリオーレ」という合成形でのみ出てくる
- 品種はヴェルディッキオ85%以上、その他の白ぶどうを最大15%
- 収量は基本14t/ha、クラッシコ14t/ha、クラッシコ・スペリオーレ11t/ha。歩留まりは70%(75%を超えると全量が呼称を失う)。パッシートは生ぶどうから45%以下
- 改植・新植は2,200株/ha以上。テンドーネ(棚仕立て)は禁止
- 収穫時の最低自然アルコール度数は 基本・クラッシコ10.50%vol、クラッシコ・スペリオーレ11.50%vol、スプマンテ9.00%vol、パッシート15.00%vol(乾燥後)
- 義務的な熟成規定はない。パッシートだけ出荷が収穫翌年12月1日以降
- 消費時の無還元エキスは 基本14.0g/L →クラッシコ15.0g/L →クラッシコ・スペリオーレ16.0g/L
- スプマンテに限って「リゼルヴァ」表示が認められる(熟成1年以上+澱の上で9か月以上)
この産地でわかったこと
格を「待つ時間」ではなく「濃さ」で引いている規定です。基本14t/ha・エキス14.0g/L →クラッシコ14t/ha・15.0g/L →クラッシコ・スペリオーレ11t/ha・16.0g/L と、無還元エキスが1g/Lずつ階段状に上がっていく。リゼルヴァが上位のDOCG(カステッリ・ディ・イエージ・ヴェルディッキオ・リゼルヴァ)に分離した結果、このDOCには熟成年数の縛りがほとんど残っていません。例外はスプマンテだけに認められる「リゼルヴァ」表示で、「このDOCにリゼルヴァは無い」と言い切れない唯一の穴になっています。
出典
生産規定イタリア農業・食料主権・森林省(Masaf)— Verdicchio dei Castelli di Jesi DOP 統合版生産規定
https://www.masaf.gov.it/flex/cm/pages/ServeBLOB.php/L/IT/IDPagina/18115DM 08/04/2022 の通常改正を反映した統合版。第2条 品種構成、第4条 収量、第5条 歩留まり、第6条 消費時の分析値、第7条 スプマンテのリゼルヴァ表示(2026年10月6日に確認)「La tipologia «Verdicchio dei Castelli di Jesi» spumante può essere qualificata con la menzione «riserva» a condizione che le relative partite di vino siano state sottoposte ad un periodo di invecchiamento non inferiore ad un anno ed ad un periodo di permanenza sulle fecce non inferiore a nove mesi.」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。