大西洋に面した砂地のDOP。自根(接ぎ木なし)の枝を砂の下の地層まで導く「ウニャール」という伝統技法が、規定の条文として書かれている。仕立ての高さまでcm単位で決まっている。
規定で認められている品種
生産規定に列挙されている品種です。当サイトに解説ページがあるものはリンクしています。
完成ワインの最低アルコール度数10%volが、実効(adquirido)・自然(natural)・総(total)のどれなのか、規定書が書いていません。ほかのポルトガルの産地はいずれも区別して書いています。また、この規定書には版も日付も書かれていません(根拠法令の参照のみ)。
黒ぶどう・共通
- カステラン原文表記: Castelao。当サイトに品種ページはまだありません
- パレイラ・マティアス原文表記: Parreira Matias N
- ティンタ・ミウダ原文表記: Tinta Miuda N
- モラール原文表記: Molar N
白ぶどう
- ヴィタル原文表記: Vital B
- マルヴァジア原文表記: Malvasia B
- アリント原文表記: Arinto B
- フェルナン・ピレス原文表記: Fernao Pires
- ガレゴ・ドウラド原文表記: Galego Dourado B
- ジャンパル原文表記: Jampal B
規定の要点
- 規定書は品種を推奨/認可に分けていない(10品種の単一リスト)
- 土壌は「砂の地面(chão de areia)」と「硬い地面(chão rijo)」の2種類が指定されている
- 砂地に植えるときは「ウニャール(unhar)」という伝統技法で、自根(pé franco)の枝を砂層の下の地層まで導くこと
- 仕立ては低く、針金を張る場合はいちばん下の針金を地上30cm以下にすること
- ぶどうは接ぎ木から4年以上経った樹から
- 収量は赤55hl/ha、白70hl/ha(kg/haの表記はない)
- 完成ワインは最低10%vol(規定は実効/自然/総のどれとも書いていない)。果汁は潜在的な自然アルコール度数で9.5%vol以上
- 熟成が義務。赤は樽18か月+瓶6か月、白は樽6か月+瓶3か月
この産地でわかったこと
栽培の方法そのものが、条文として書かれている産地です。砂地では「ウニャール(unhar)」という伝統技法で自根の枝を砂の下の地層まで導くこと、仕立ては低く、針金を張るなら地上30cm以下にすること。当サイトの産地で、仕立ての高さをcm単位で縛っているのはここだけです。もうひとつ、この産地の代名詞であるラミスコ(Ramisco)が、品種リストに載っていません。官能特性の章では「ラミスコの赤ワインは…」と、ラミスコを前提に赤を説明しているのに、第6章の認可品種10件の中には出てこない。品種表と本文が食い違ったまま公開されているという、珍しい状態になっています。
出典
生産規定ポルトガル ブドウ・ワイン研究所(IVV, I.P.)— DO Colares 生産規定
https://www.ivv.gov.pt/wp-content/uploads/2026/02/DO_Colares.pdfPDO-PT-A1461。管理団体はリスボン地方ワイン委員会(CVR Lisboa)。品種リスト、砂地の栽培条件、収量、熟成(2026年10月6日に確認)「Na plantação das vinhas em chão de areia respeitar-se-á a prática tradicional de «unhar» a vara de pé franco no estrato subjacente à camada de areia.」
規定は改正されます。掲載しているのは各出典を確認した時点の内容です。実際の商品がその規定に沿っているかは、生産者の表示をご確認ください。フランスのAOCについては、INAOが公開する生産規定に改正案(PNO版)と官報で確定した版があります。PNO版は旧い数値に取り消し線を引いて新しい数値を併記する形式のため、当サイトは新しい数値を採用し、確定版で突き合わせられなかったものはその旨を書いています。イタリアは農業・食料主権・森林省(Masaf)が公開する統合版の生産規定、スペインは農業・漁業・食料省(MAPA)または州の所管機関・統制委員会が公開する生産規定、ポルトガルはブドウ・ワイン研究所(IVV)とドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)が公開する生産規定・技術仕様書、オーストリアは連邦法令情報システム(RIS)のDAC法令と連邦農林・地域・水資源省(BMLUK)が公開する製品仕様書を使っています。ドイツは欧州委員会のeAmbrosiaに登録された製品仕様書(Technische Unterlage)を使っています。アメリカのAVAは電子連邦規則集(eCFR)の27 CFR Part 9 が条文で、承認の根拠は制定時に連邦官報(Federal Register)に載った最終規則の前文にあります。1994年より前の最終規則は連邦官報のサイトに収録がないため、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)が自ら公開しているPDFを使っています。